プロローグ

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でもしかし、だ。いつまでもこうしている訳にはいかない。 もしもいつまでもこのままでいるなら、生涯目を閉じたままでいなきゃならないしな。 「あ、わかりました。それじゃあ今から目を開けますね?」 「うん、ゆっくりでいいからね?」 目を開くのにゆっくりもクソもあるのかはわからないが、せっかく「ゆっくりでいい」と言われたんだ。お言葉に甘えるとしよう。 「えっと……どちら様ですか?」 ゆっくりと目を開いた俺の視界に映ったのは、恐らく今までに見たことの無いであろう……そうだな、和風美人と例えるのが正しいかな? 真っ直ぐ腰まで伸びた黒髪、吸い込まれそうになる大きくて黒い瞳、かなり整った顔立ち。そして……鼻の奥を擽るような甘い香り。 こんな女性がもし学校に居たら、間違いなく学園内1のアイドルだろうな、うん。
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