家庭教師は魔法使い!?

夏休みとか宿題とか修学旅行とか、予定詰まりすぎじゃね？

「ふう……ここまで来ればなんとか大丈夫だろ？」

あの後俺は、急いで店内を出るなり、すぐに自転車に飛び乗ってその場を後にした。杏が追ってくる気配はない。

さてと。これからどうするか？　今から店に戻ったところで、また杏に捕まるのがオチだ。それなら一旦家に帰るのが妥当な判断じゃないだろうか？

いや、実際それぐらいしかいい考えはないしな。

「仕方ない、１回家に帰って、それからどうするか考えることにしよう」

そう１人呟き、俺は家の方へと自転車を走らせはじめた。もちろん、カゴとかには何も入っていない状態でな。

「ただいま……」

家に到着した俺は、中にいる２人に聞こえるかどうか怪しい声でそう言った。聞こえているかどうかの確認は、俺は取れないが。