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手ぶらのままで家に入って行った俺は、とりあえず真っ直ぐリビングへと向かっていった。
そうだな、もう外食で十分のような気がしてきたぞ? 今から作るのも面倒だし。外食ほど簡単なものはないだろう。
「あ、お帰り淳くん」
「お帰りなさい、結城さん」
俺がリビングに入っていくと、2人はゲームをしながらそう言ってきた。そして俺は台所の方へ向かう。
「あ、台所借りてるわよ」
……ちょっと待て。とりあえず、急展開でここまで来てしまったのは俺だって分かっている。でもさ、反射的に、普段開けっ放しのドアを閉めてしまうだろ?
だって……さっき振り切ったはずの、杏が俺の家にいるんだから。一体どうやって来たのか、気になるが……知りたくもない。
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