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あ、皆さん分かっているとは思うが、俺は杏のことを呼んではいない。あいつから逃げたんだから、呼ぶわけがないだろう?
……まあいいけどさ。晩飯を作ってくれてるんだ。それはありがたく戴くことにしよう。問い詰めるのはそれからだ。
そう考えるなり、俺は自分自身の頬が緩むのを感じた。閃梨さんとかに見られてないだろうな?
そう不安を抱いたが、とりあえず今の状況を見る限りでは、閃梨さんたちはゲームに夢中になっているみたいだった。
「晩御飯、出来たけど?」
「お、マジで?」
俺がゴロゴロしつつ本を読み、閃梨さんと坂下さんがゲームをしているなか、杏は台所から出てきて俺たちにそう言った。
と言うよりも、本当に晩飯作ってくれたんだな、こいつ。
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