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五十嵐がそう言うと、教室の中はざわめき始める。大事な話がある、なんて言われたら、そうなっても仕方無いだろう。
「なあ、淳。大事な話って一体なんだろうな?」
「んなもん知るか。第一、知ってたら真っ先に教えると思わないか?」
「それもそうだな!」
黒板に対して五十嵐が、文字を書いているのを眺めつつ、俺たちはそんなような話をしていた。しかし、この気楽な状況が……すぐに変わってしまうのだ。
「えっとな、今年の修学旅行……って言うか、見学旅行は中止になったんだ。非常に残念だとは思うんだが……」
教室の中が沈黙に包まれる。誰1人として、喋っている人間はいない。そして、全員が全員で驚きを隠せないでいるようだった。
もちろん、俺もその内の1人だ。
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