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クラスの中は、落胆の雰囲気から一転、盛り上がりを見せていた。そりゃまあ、クラスで旅行が出来るって言うんだから、盛り上がるのは当たり前だろう。
「淳!お前はもちろん参加だよな、な?」
「当たり前だろ。つーか、参加しないやつなんていないんじゃないのか?」
まあ、そうだろうな。修学旅行費用意外には掛からないみたいだし、それなら参加しないやつはいないだろう。親が「どうしてもダメ」って言うなら話は別だが。
「ねえ、淳くん」
そんな風にして、閃梨さんが俺に話しかけてきたところで、俺はふとあることに気が付いた。
しかし、俺がそれを口に出す前に、先に閃梨さんが喋り出したのだった。
「……私、修学旅行の費用なんて払ってないよ?」
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