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「ああ、ごめんごめん!こんなに顔を近付けちゃったら、あんた話しにくいわよね?」
そんな俺に気が付いたようで、杏はそう言うなり俺から距離を置いてきた。とりあえず、助かったと言うかなんと言うか。
……しかし、だ。いつまでも先延ばし先延ばしにしているわけにはいかない。離れてくれたのは助かったものの、やはり気まずい空気には変わりない。
むう、やっぱり本当のことを言うべきなんだろうか? いや、言わなきゃいけないんだろうな。
「えっと、実はな?」
覚悟を決めた俺は、3人の方へと向き直るなりそう言った。そして、この変な空気を断ち切るために、俺は次の言葉を声にしようと……
「あ、ちょっと待って!……下さい」
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