家庭教師は魔法使い!?

親睦旅行とイベントと……

そんな中で俺の言葉の前に口を開いたのは、紛れもなく坂下さんだった。いや、本当に正直言って意外。

これには俺だけじゃなくて、杏や閃梨さんも驚きを隠せないでいるようだった。

「あ、えっと、その……すみません。ちょっと熱くなってしまって。別に怒ったりしてる訳じゃなく、ただ話を聞いて欲しかったと言うか、何て言うか……」

「大丈夫よ、真奈。一体どうしたの？」

坂下さんは自分自身に驚いてしまっているようだった。それもそうだ……って言い方は失礼かもしれないが、坂下さんって大声を出すイメージがないから、なんとなく気持ちが分かる気がする。

しかし、杏も杏でさすがだ。こういう場面では昔から仕切ったりしていたような覚えがある。常に最前線を突っ走ると言うか、そんな風に。