389人が本棚に入れています
本棚に追加
「その、とりあえず私は用事があるんで、失礼します」
坂下さんはそう言うなり、逃げるようにして部屋を出ていってしまった。逃げたのかどうか、それは定かではないのだが。
「あ、ちょっと！私もついていくわ！」
そんな坂下さんを追い掛けるようにして、杏までもが部屋を出ていってしまった。
……えっと、なんだ？ 偶然なのか、それとも２人が空気を読んでくれたのか。
「出ていっちゃいましたね」
「そうだね……で、誰に用事があったの？」
「ああ、実は閃梨さんに用事があったんです」
俺はそう言って、とりあえず伝えるべきことを簡単に伝えることにした。あんまり長くなりすぎてもマズイと思ったからだ。
最初のコメントを投稿しよう！