親睦旅行とイベントと……

16/94
前へ
/300ページ
次へ
それからしばらくそのままでいると、杏の腕が震え始めてきているのがわかった。さすがの杏も、腕が疲れ始めてきたようだ。 「……あぁ、もう!」 すると、杏は諦めたかのように腕を下ろし、俺のことを睨み付けてくる。 え、なに? 耐久戦に勝っちゃいけなかったのか? と言うより、なんでこいつこんなに悔しそうにしてるんだろう? 「さっさと受け取りなさいよね、このバカ!わざわざあんたにお土産って買ってきたんだから!」 「お、マジ?サンキュー!つーか耐久戦じゃ無かったのな?」 そう言いながら、俺は再び差し出された袋を受け取った。せっかく買ってきてくれたのに悪いことをしたな、反省。 「じゃあ私たちは部屋に入るから。また暇だったら遊びに来なさいね」 そんなことを考えていると、杏は俺に対してそう言ってきた。 「了解」 だから俺は簡単にこう返す。すると納得したように杏は部屋に入り、坂下さんは頭を1度下げてから部屋に入って行った。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

389人が本棚に入れています
本棚に追加