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それからしばらくそのままでいると、杏の腕が震え始めてきているのがわかった。さすがの杏も、腕が疲れ始めてきたようだ。
「……あぁ、もう!」
すると、杏は諦めたかのように腕を下ろし、俺のことを睨み付けてくる。
え、なに? 耐久戦に勝っちゃいけなかったのか? と言うより、なんでこいつこんなに悔しそうにしてるんだろう?
「さっさと受け取りなさいよね、このバカ!わざわざあんたにお土産って買ってきたんだから!」
「お、マジ?サンキュー!つーか耐久戦じゃ無かったのな?」
そう言いながら、俺は再び差し出された袋を受け取った。せっかく買ってきてくれたのに悪いことをしたな、反省。
「じゃあ私たちは部屋に入るから。また暇だったら遊びに来なさいね」
そんなことを考えていると、杏は俺に対してそう言ってきた。
「了解」
だから俺は簡単にこう返す。すると納得したように杏は部屋に入り、坂下さんは頭を1度下げてから部屋に入って行った。
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