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そう考えた俺は、怪しまれないようにしつつも警戒心を解かないようにすると言うなかなかの戦法を発揮していた。
ふむ、何と言うか、バレていないようだから問題はないんだろうな。閃梨さんは別だとしても、だが。
「結城さん、体調でも悪いんですか?」
「え?」
しかし、1番最初に俺の異変(と呼べるかまでは分からないが、まあ異変でいいや)に気が付いたのは……こう言ったら悪いかもしれないが、多分この中では1番鈍そうな閃梨さんだった。
「え、淳、具合悪いの?」
「大丈夫淳くん?」
「あー……いや、うん。大丈夫だから気にしないでいいから。ちょっと考え事をしてただけだし」
個人的に嘘は嫌いだから、とりあえず本当のことを言っておくことにした俺は、そう言った後、すぐに食事に手をつけ始めたのだった。
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