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「これですよね、閃梨さん?」
ベッドの下から箱を取り出した俺は、そう言って閃梨さんへと手渡した。その時に見せてくれた閃梨さんの笑顔は、心なしか元気がなかったような気がする。
「ありがとう、淳くん。中は1回か見た?」
「あ、はい。一応は確認しておきましたけど……」
閃梨さんはそれを聞いて安心したようで、ほっと胸を撫で下ろす。そして次に親指を立てて俺に向けてきたのだった。
「それじゃあ淳くん。修斗くんを起こしてもらっていいかな?」
「え?起こすんですか?」
なんだ、てっきり寝かせたままやるもんだと思ってたよ。だから寝たら連絡するって言ったんだが……どうやら無駄だったみたいだな。
「あ、全然無駄じゃないからね?」
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