親睦旅行とイベントと……

69/94
前へ
/300ページ
次へ
「いや、まあ……」 そう意味深な発言のように、俺は閃梨さんに対してそう言う。もちろん閃梨さんはそれを不安がるわけで、その反応がまた面白いわけだ。 ……俺、最低に嫌なやつだよな? 「な、なに?なんかしたの……?」 「あー、いや。まあ……」 俺がそう言った瞬間、閃梨さんは小さく「えっ……」と漏らし、そしてしゃくりあげるような声を出していた。 「閃梨さん!冗談です!本当になにもしてませんから!」 しかし閃梨さんが泣き止むようなことはなく、それからしばらくの間、この状況が続いたのだった。おそらく、時間に直すと30分くらいなのだろうが。 俺にはそれよりも遥かに長く感じた、とだけ言っておこう。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

389人が本棚に入れています
本棚に追加