親睦旅行とイベントと……

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「いないね……」 「はい、いないですね」 俺たちは確認をしあうようにして、そう言った。それから俺と閃梨さんは、その場を離れるようにしていた。 ……さて、これからどうするんだろう? 戦うことになるのは、既に決まってしまっているだろう……が。 閃梨さんも恐らく、戦いづらいところはあるのだろう。魔法使いとは言え、人間であることに変わりはない。 何よりも、俺たちにとっては……って、これはさっきも言ったんだったな? 「とりあえず今は、犯人が分かったから……少し休憩しようか?」 「はい、そうですね」 「私はいつでも構いませんよ?」 「犯人」と口に出したときの閃梨さんが、すごく悲しそうな表情を浮かべたのを、俺は見逃さなかった。
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