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この行為が間違いだったと気が付いたのは、ついさっきのことなんだがな。
なんというか、さっきまですぐ目の前にいた閃梨さんの声が遠くから聞こえるんだからな。それも、笑い声を圧し殺すような声が。
そんな声を不審に思った俺は、ゆっくりと目を開け、そして閃梨さんの行方を探す。しかし今の視界180度には、閃梨さんの姿を確認することが出来ない。
「あれ?閃梨さん……どこに行ったんですか?」
そう呼んでみるが、閃梨さんの返事は無い。唯一聞こえるのは、閃梨さんが笑い声を圧し殺す声が後ろから聞こえるだけで……
ん? 後ろから聞こえる? と言うことは、閃梨さんは俺の後ろにいるって言うことか?
そう思った俺は、すぐさま後ろを振り向いたのだった。
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