家庭教師は魔法使い!?

１学期最大の山場！ 乗りきれるんだろうな、俺……

その内の１人、閃梨さんは今俺と家に向かって歩いている途中だ。特に会話があるわけでも無いがな。

ただ、閃梨さんは微笑を浮かべているようにも見える。気のせいだとは思うが、まあ気になってしまうのも事実なわけだ。

「淳くん、さっきから私のことを見てるみたいだけど……どうかしたの？」

そんなことを考えていると、閃梨さんは視線をこちらに向けて、そう聞いてきた。その時の表情は不安げな、そして嬉しそうな表情をしていた。

まあ、何なんだろうか？　正直な話、何に対しての嬉しそうな表情なのかは理解できない。逆に、不安げな表情の意味は理解できてしまう。

そりゃそうだろうな、特に意味が無いのにも関わらず、ずっと見つめられ続けていたんだからな。そんな状況が続けば、俺だって軽く不安になるさ。