1学期最大の山場! 乗りきれるんだろうな、俺……

18/61
前へ
/300ページ
次へ
まあいいや。とりあえず食おう。どうせ海苔なんだから、ビビることは無いはずだ。 いなくなれば、閃梨さんもそれはそれで安心するに違いないさ。落ちていたものを食べるのは、気が引けるけど…… そんな風にして、内心では愚痴を言いつつも俺は海苔を食べた。うん、味は全然問題ない。普通の海苔だ。 「閃梨さん、ゴキブリなんてどこにもいませんけど?」 うずくまっている閃梨さんの背中を軽く叩き、俺はそう言った。すると閃梨さんはゆっくりと顔を上げ、そして周囲を見回し始めた。 ……何? 俺の言うことが、そんなにも信じられないってことなのか? 軽くショックだぞ、これは。 つっても、気にしないのが1番だろうけどさ。 「あ、うん。本当にいなくなってるね。ありがとう」 そして、閃梨さんは軽く目に涙を浮かべながらも、俺に対してそう言ってきたのだった。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

389人が本棚に入れています
本棚に追加