家庭教師は魔法使い!?

１学期最大の山場！ 乗りきれるんだろうな、俺……

閃梨さんに指示されたように、俺は閃梨さんと共に教室を後にした。

そして俺たちの話し声が聞こえないように、多少離れた位置へと向かう。間違って聞かれてしまったら、色々とまずいような気がするからな。

「それで……閃梨さん？」

ただ、閃梨さんに呼ばれたことは色々と不安で仕方ない。どことなく怒ったような歩き方をしてるし……

それに、今閃梨さんに話し掛けたときに、全く返事をしてくれるような素振りを見せてはくれなかったんだから。

うわ、マジで怖いよ……一体どんなことを言われるのか、本当に嫌な予感がしてならない。

「じゃあここにしようか、淳くん」

やっと口を開いた閃梨さんが立ち止まったのは、今はどこのクラスも使ってなく、それでいて空き教室になっている部屋だった。