小旅行

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瀬羅は私の手を見つめ、その手を私の目線まで持ち上げる。 満面の笑みを見せるけど、不気味なくらいに笑っている。 「何で指輪してないわけ? それにあの子たちにも話してないみたいだし?」 「それは…」 「ま、乗りな。待たせてるから」 「ちょっと瀬羅っ」 「違う。お兄ちゃん、だろ?」 な、何で!? 「瀬――…」 「3人で先行くわー」 名前で呼ぼうとすると無表情で返してくる。 「いや…置いてかないで。 瀬っ……お、お兄ちゃん?」 すると、表情が柔らかくなる。 黒のオーラを纏う瀬羅に何も言い返せず、従うことになってしまった。
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