幼なじみ

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大学構内にある桜が見渡せるベンチ。 桜はちらほらと散り始め、春の盛りを告げている。 「澪はもう新しい友達出来たのか?」 「うん。最初の講義で隣に座った子と。この後も午後の講義一緒に出るんだ」 電話の向こうは優しく頷きながら聞いてくれている。 「それ聞いて安心した………っと、休憩終わるな」 「そっか。頑張ってね」 「ああ。また夜に」 通話が切れるのを確認して電源ボタンを押す。 私は作野 澪、大学1年生。 電話の相手は10歳年上の旦那様の作野 瀬羅。 瀬羅とは高校卒業後に結婚。 高校教師を経て、今は塾講師をしている。 ただ、私の大学と瀬羅の仕事の都合で一緒に新婚生活は送っていない。
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