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~5ふんご~
(↑子どもの声)
母さんに殴られた俺と父さんは顔面ボコボコに腫らしながら正座していた。
「落ち着いた?」
「「…はい…」」
「日本の家庭はバイオレンスやねんなあ~」
そこ、間違った日本の知識覚えない。
そして、突然父さんが男の顔になった。
おそらく、断るつもりなんだろう。
「あのね、華音ちゃん―――」
「あ、せやった!」
せっかく父さんが男の顔になっているのに、華音ちゃんは何かを思い出したようにカバンをガサゴソと漁りだし、一通の封筒を取り出した。
なんか、天然というか、マイペースというか……。
「これ、おとんが『向こうの家着いたら渡し』って持たせてくれたんですけど」
…考えすぎたのかもしれない。
父さんが封筒を受け取りながら思う。
〝マフィア〟という単語だけで先入観を持ってちゃ、いけないんだ。
父さんが封筒を開ける。
実際、こうやって手紙書くぐらい律儀なんだし……。
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