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気付けば華望の後ろに男性が立っていた。
『この人よ。来なさい』
華望は後ろに立っている男性を呼ぶ。
『赤木那 灰音(アカギナハイネ)です。この度は璃杏様の執事に任命されました。よろしくお願いします』
そう言うと灰音は一礼をし、顔を上げると同時にニコッと笑んだ。
灰音は結構長身で闇のような黒い髪をしている。
そして瞳は珍しい赤と碧のオッドアイだった。
璃杏はそのオッドアイに見とれていた。
その視線に気付いた灰音は少し困った顔をする。
『私の顔に何かついていますか?』
『あっもしかして見とれてたぁ?』
華望は璃杏をからかう。
理由は反応が面白いから。
『ちっ違いますっ!! わたしは神ノ宮 璃杏(カミノミヤリアン)。よろしく灰音』
璃杏は灰音に手をさしのべる。
しかし璃杏の表情には《笑顔》というものはない。
灰音はどうして笑わないのだろうと思いながら手をさしのべる。
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