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霞む意識の中、長い黒髪の少女は目を覚ました。
身体を起こそうとしたが体中に激痛がはしり、仕方なく寝たままの状態で視線だけを動かす。
木で造られた木造の家のようで窓の外には月光に照らされた木々が広がっていた。
窓とは逆の方に視線を動かすと30歳程だろうか、紅い髪の男が椅子にもたれ掛かり、腕組みをしながら頭を垂れて眠っている。
「んぁ…お?起きたか」
視線を感じたのか男は頭を持ち上げ話しかけてくる。
「…誰だお前は」
少女らしかぬ口調で話す少女に男は面食ったような顔をする。
「可愛くねぇ餓鬼だなおい。俺はギドってんだ。嬢ちゃん名前は?」
「……今なんと言った?」
「嬢ちゃんの名前は何かと聞いたんだ」
少女は目をつむり自虐的な笑みを作る。
「やはり…この姿のままか………私は…キリュート=レバァンティア…」
「なんだまさかとは思うが縮んだのか?」
「…そのようだ」
ギドは投げやりに聞いたつもりだったが投げやりな顔のまま固まった。
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