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「…いや冗談だ…忘れてくれ…ツゥッ…」
キリュートは痛む身体に鞭をうち、どうにか起き上がる。
キリュートはダボダボのシャツだけだというのに今更気付く。シャツの隙間からは白い包帯がはみ出していた。
「…私の服は何処だ」
「洗ってたたんであるからお前は大人しくしてろ」
ベッドから下りようとするのを止め、ギドはキリュートを再び寝かせる。
「明日には多少マシになっているだろうからお前は寝ろ」
「…しかし」
「子供は黙って大人の言う事を聞いてりゃいいんだよ」
渋々目を閉じ、暫くすると規則正しい寝息をたてはじめた。
「久々に退屈しないですむな。推測も当たり…これから面白くなりそうだ」
ギドはニヤリッと笑い、明かりを消してから部屋を出た。
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