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失われる民族
雨が紫陽花の花に降注ぐ
息を吹き替えしたように色が鮮やかに成って行く。
素晴らしき季節の風景の一コマだ。
綺麗だけでなくそこには日本人の独特な感性がある。
それは何処から来たのか?
仏教的もあるだろうが
やはり気候・風土が一番我々日本人の精神的形成を成しているように思う。
枯山水などハコニハ文化と揶揄する人もいるが土地が狭い日本に於てまたいつも自然を詣でたいと思う美意識の現れであり心の中で自然至上主義が脈々と受け継がれて来たからでろう。
昔は森の鎮守の神様がいた。自然が神様であり自然によって生かされていると言う感覚が存在した。
その様な感覚は普通に同じ人間としての共生思想を育ててきた。即ちそれが隣り3軒両隣り的コミュニティーが自然発生した。
今ではどうか?
西洋的文化が横行して田舎でも隣りの住む者も知らないという現状が存在する。
一見関係性のないように思えるが、それらは非常に密接に関連したものであると私は思っている。
日本の今を考えたら個人を優先させ個人の欲のみが闊歩した社会形態のように思えてならない。
昨今異常気象と言うがこれと同時にして人間の文化的精神的社会的感覚も異常になって来たのかもしれない。
今の日本は民族性が失われつつあるように思えてならない。
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