夜の花

第三章

彼はあの時、28歳と言っていた。
高校生の私は、やっぱり大人の人は違うと思い込んでいた。

しかし、彼に会う度、疑惑が増えていった。
助手席のｸｯｼｮﾝの下に、私のモノではない手鏡が置いてあったり、
彼の家に上げてもらえなかったりと。

ある日私は聞いてみた。

「ねぇ、竜の家行きたい。」