第三章

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「はい‥。」 電話にでたものの、何も声がしない。 私は静かな階段側へと移動しながら、「もしもし?」と繰り返した。 「あの‥。」 やっと聞こえた声は、女の人だった。 「誰ですか?」 と、聞いた次の瞬間、私は耳を疑った。 「竜を知ってますよね?‥妻です。」 「‥‥‥。」 妻? だって‥、彼は何も言ってなかった。 休みの日だって、私と一日一緒にいてくれたし、結婚できたらいいねって‥。 「私たち、結婚してるの。子供もいるし。最近休みの日も家にいないから、怪しいと思って。」 黙っている私に、相手の女は、次々と話始めた。
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