第四章

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私は、早く成人したいと、前から思っていた。 自分一人でも大丈夫。 そう思えるくらい強くなりたいと。 そんな考えのまま、雪でも降りそうに寒い夜、私はキャバクラで働く事を決めた。 「もうすぐ、クリスマスだね。」 杉並さんの問掛けに、来月クリスマスだと思いしらされた。 そう、キャバクラを初めて、一年が立とうとしていた。 「そうだね。カップルが多くなるね。」 最近気温も低く、ドレス一枚では肌寒い。 杉並さんも、スーツの上にコートを這おっていた。 「どこか行かない?」 私は少し迷い、‥いや、迷った振りをし、 「仕事なの。」 と、困ったような笑みで返した。
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