第二章

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「あ、杉並さん。今日も来てくれたの?」 杉並という、お客さんであり、色恋相手。 「舞菜の為なら来るよ。」 私はそっと、杉並さんの隣へ座った。 グラスを取り、お酒を作る。 杉並さんは、私の作ったお酒を、おいしいと言って飲んでくれる。 そして、少し時間がたつと、シャンパンを入れてくれる。 今日も、二人の会話に花が咲く。 私は、相手をあまり観賞しない。 観賞しないというか、深くまで探らないと言った方が正しいかもしれない。 だから、杉並さんの事も、あまり知らない。 好きでもない相手は、あまり興味がない。 そんな感情なんだと思う。 それでも、杉並さんは、私の全てを知りたいかの様に、色々な事を聞いてくる。 私は聞かれれば答えるが、自分からは、自分の事は話さない。 答えた所で、それが正しいとは限らない。 それでも杉並さんは、私の趣味を聞いては、たまにプレゼントをくれたり、 好きなタイプを聞いては、髪型を変えてみたりと、 結構かわいいなって、思ったりもした。
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