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カランコロン。
店に客が入ってきたようだ。
俺はとある喫茶店でバイトを始めた。
名前は『黄泉』…なんか不吉だ。
言葉に出すのは失礼になるから言わないが、そんなに大きな店じゃない。
俺以外には調理担当が一人とさらに二十代ぐらいの男性のバイトが一名。
俺は基本的に接客を任されている。
だから今入ってきた客を席まで案内するのが俺の役目なんだが…。
「…いらっしゃいませ。お客様、お出口は後ろにございますので忘れ物と足下に気をつけてお帰りください。」
「今きたばかりだ馬鹿者。」
とまぁ当然帰るわけでもなく勝手に席に着く二人の人影。
「あのな…こっちは仕事中だぞ…。」
「ならちゃんと接待してよね。こっちは客なんだから。」
「まぁこんな小さな店いつ潰れるかわからないけどな。客も私達だけだし。」
二人共言いたい放題言いやがる。
「…まさか残りの奴らも来るとか言わないよな?」
俺は恐れていることを尋ねる。
「ん?待ち合わせ場所は違うとこだが…やっぱりここがよかったか?」
「よせ。」
「私イチゴパフェ。」
まだ俺は注文聞いて無いのに。
「なら私はチョコレートパフェにしよう。」
やっぱりお前も頼むんだな。
「それ食ったら帰れよ…雛多、早美。」
「わかってるって、大助君。…あ、コーヒーも忘れずにな。」
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