第一話 バイト

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「イチゴパフェとチョコレートパフェを一つです。」 「はーい。」 「おい大助。今の客知り合いか?」 話しかけてきたのは竹山徹(たけやま とおる)さんでさっき話したもう一人のバイトの人だ。 「えぇ。友達です。」 「彼女か?」 「違います。」 まったく、何を言ってんだか…それにどっちがだよ。 「照れんなよ。ほら、コーヒー入れてこいよ。」 そう言って徹さんは奥に入っていった。 「お客様。コーヒーでございます。」 「うむ、なかなか似合ってるじゃないか。」 「今度黄昏部で大助にコーヒー入れてもらってお茶会でもしよっか。」 「うん、それはいい。」 なんか勝手に話し進めてるし。 「お前らな…。」 「ん?お客様に向かってお前はよくないな…クビにするぞ?」 まるでその権限を持っているかのようですな。 「だってこの喫茶店雛多んとこの会社の傘下だもんね。」 「何いぃ!?」 思わず驚きの声がでる。 「そういうことだから気をつけてくれたまえ、従業員君。」 ニヤリと笑う雛多。 不覚…。 一応そうならないように気をつけたんだが…恐るべし今倉財閥…。
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