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「自分とこの傘下なのにお前は潰れるとか不吉なこと言ってたのか?」
「ふん。私的には潰れようが潰れまいがどうでもいいんだよ。親の仕事なんかどうでもいいさ。それに多分ここのオーナーと私の母が知り合いだったからバックアップしてるだけなんだよ。」
相変わらず無茶苦茶な奴だ。
「そうかいそうかい。ごゆっくり…。」
そして俺は厨房の方へ向かおうとした。
「ちょっと大助。パフェまだ?」
早美が尋ねてくる。
「まだだ。」
「まったく、私を待たせるとは何事だ。」
雛多が腕組みをしながら不満の声を上げる。
待つのが嫌なら店に来るな。
「頼むからおとなしくしててくれ。」
「ちょっとクレーム付けてやる。」
雛多が立ち上がる。
「やめい。」
「大助ぇ~。コーヒーおかわり。」
早美がカップを差し出す。
「ほら。」
俺は早美にコーヒーのおかわりをついだ。
「私もおかわりが欲しいのだが、本場のブラジルのコーヒー豆でつくってもらいたいから今から買ってきてくれ。」
「ブラジルは日本の真裏だ馬鹿やろう。」
ちなみにこんなところで漫才している場合じゃない。
「仕事中なんだからおとなしくしとけよな。」
これ以上こいつらの相手はしてられん。
そう思った俺は再び厨房に向かって歩き出した。
カランカラン。
またしても店に客が来たんだが…。
「おう。やっぱここだったか。」
「淳君の言った通りですね。」
「予言的中。」
「…帰ってくれ。」
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