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僕は自転車を止めて後ろを振り向くが誰もいなかった。
でも、確かに僕を呼び止める声はしっかりと聞こえた。
だが、何度見渡しても誰もいない。
僕は気のせいだったかと諦めて前を向いた。
『うわぁぁぁ!?💦』
前を向いた僕は、驚いて大きな声をあげ、自転車から転倒してしまった。
僕が前に振り向くと、夢でみたあの女の子が目の前にいたのだ。
女の子は夢と同じように僕をじっと見つめている。
僕も転倒して尻餅をついたまま、女の子の顔に釘付けになっていた。
『…君は…誰?』
女の子は僕を見つめたままで何も答えない。
僕は、無意識の内に女の子に質問をしていた。
なぜなら、この前、この女の子とすれちがった時に感じた違和感の意味を、僕はこの時に理解したからだ。
彼女は僕の力が通じない。
他の人達のように、彼女の生まれた日や、死んでしまう日が僕にはわからなかった。
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