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僕は、目の前にいる、こんな小さな女の子に、何を言ってるんだろうか。
女の子は、相変わらず僕をじっと見つめたままで、何も言わないでいる。
僕を見つめる目は、どこか悲しげに見えた。
僕は、女の子にゆっくりと手を伸ばす。
女の子は僕の手を拒む事は無かったので、僕はそのまま女の子の手を握った。
すると、僕の頭の中で異変がおきた。
僕の頭の中で、無数の声がこだまする。
(苦しい…)
(どうして…)
(痛い…)
(悔しい…)
(助けて…)
それらの声は、いずれも僕には聞き覚えの無い声ばかりだった。
頭の中でだんだん早口になり、言葉同士が重なっていく。
僕は頭の中の無数の声に、押し潰されそうな感覚に陥った。
『やめろぉぉぉぉぉぉー!!!』
頭を抱えこみ、僕はその場に蹲った。
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