情けない

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酔うと必ず直哉は、出て行け!と口にする。 前は、お前が出てけと思って居た為、口喧嘩が発展して殴り合いになるか、なる寸前まで粘ってから家を出るかだった。 でも、それも毎回されると嫌気がさす。 七海『パパが出てけって言うから行くよ!!』 子供達に声をかけ、携帯だけを持って七海は靴を履き始めた。 直哉『お~早く出てけ!帰って来るなよ!!』 ワザワザ言わなくてもいい言葉を嫌味ったらしく直哉がぶつけて来る。 靴を履き、子供達を連れて外に出ると、七海は 『二度と帰らんわ!!』 強くそう言ってドアを閉めた。 本当に二度と帰る気は無かった。 何度も何度も同じ事の繰り返しで、酒の量を減らすからと約束しても、結局守らない。 酔って来たな…と思ったら俺の近くに居なくていいからと言っても、違う部屋に移動すると 襖をおもいっきり開けて見たり、蹴って見たりする。 そんな直哉に心底愛想が尽きた。 何も変わらない、変わろうとしない直哉に本当にうんざりだったのだ。
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