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実家に着き、チャイムを鳴らすと父親がドアを開けた。
父親『何だぁ…子供連れて…また喧嘩かぁ。』
七海『酔ってウザイから出て来た。』
子供達を中に入れ、ドアを閉めながら答える七海に、父親は小さなため息を付いた。
部屋の中では、母親も子供達に同じ事を言っていた。
妊娠した事が分かった時、両親は、下ろせないのかと言った。
まだ結婚して家族を作るには若過ぎると…。
二人共、まだ遊びたい時期なのに絶対上手く行かなくなると…。
その通りになっている自分が情けないと思った。
『絶対大丈夫!ちゃんと育てれるし真面目になるから…下ろしたくない…ちゃんと守るから。』
あの時、そう必死にお願いして結婚と出産を許して貰った。
あれから何回こんな風に心配かけたり迷惑かけたりしているのだろう…。
夜に泣きながら帰った事もあった。
別れる!と何度も言った。
でも結局ほっとけなくて戻ってしまった。
両親と無邪気に遊ぶ子供達を見ながら、七海は一人考えていた。
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