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七海『おはよ~』
早起きな父親に声を掛け、タバコに火を点ける。
父親『お前ど~するだ』
七海『何が?』
父親『何がじゃなくて、子供達だって学校があるし戻るなら戻る、別れるなら別れるで一回帰って話し合って来い。』
七海『分かってるよ…でも帰るとしても夜しか帰らん!いつもみたいに朝になれば帰って来るし別にいいやって思われたくないから…』
そう話し終わり、テレビを見ていると電話が鳴った。
父親が電話に出て、
『おるよ』
一言だけ言って七海に受話器を渡した。
???????
父親【な・お・や】
口パクで七海に告げる。
今は話したくない気分だったが、受話器を渡されてしまった以上、出るしかない。
渋々 七海は
『はい……』
と一言だけ話した。
直哉『何で家におらんだ!……あのさぁ……帰りたくないなら帰って来んくていいだけど…昨日警察から電話あった?』
七海『ないけど』
直哉『俺さぁ…誰かに殴られたみたいやんね…』
七海『はぁ?何言ってんの?』
直哉『俺さぁ…今さっき警察の人に送って貰って帰って来ただ…』
七海『はぁ?意味分からん、話しもあるし…とりあえず一人で今から帰るわ』
直哉『分かった…待っとる』
まだ酔いが醒めないのか…それとも誰かにボコられて痛みで声が出ないのか…直哉の声は弱々しく小さかった。
父親『何だって?』
七海『誰かに殴られたとか言っとる…とりあえず今から家帰って来るもんでチビ達見とって!』
父親にそう声を掛け、七海は慌ただしく実家を出て家へと向かった。
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