見守る眼差し

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昔からあやつは一人になりたがった わしの前では自分を偽ることはなかったが… いざ他の者の前になると心を閉ざし偽りの笑顔を振り撒いておった じゃが…シカマルと出会ってからは少しだが雰囲気が柔らかくなった シカマルだけがナルトに対等に接していた 他の者はナルトを化け狐としか見なかった…誰も…ナルトを認めなかった じゃが…今は違う、ナルトお主には仲間が出来た…信頼できる仲間がな 「ナルトや」 「んだよジジィ」 執務室に当たり前の様に居るナルトに三代目は声をかけた ソファーにさも同然という様子で座っているナルトは素っ気なく答えた 「よい仲間を見付けたな」 「……別に」 「なーに照れんでもよい」 「なっ!!照れてねぇよ!!勘違いすんなタヌキジジィ!!」 三代目の言葉に素っ気なく返したナルトだったが、三代目はそうは思わずからかう様に言葉を紡いだ そんな三代目の言葉に珍しく慌てた様に反応するナルト そんなナルトの態度に気にした様子もなく、笑みを深くしながら言葉を紡ぐ三代目 「照れとるお前も可愛いのぉ」 「気色わりぃこと抜かすな!!」 言いながら殺気を放つナルトだったが、三代目は臆した様子もなく笑みを深くするだけだった そんな三代目の様子に舌打ちをして視線を反らすナルト そんな時、窓から執務室に入って来たシカマルに三代目はため息を吐いた 「これシカマル窓から入るなと言っておるだろうが」 「此処からが1番入りやすいんすよ」 「まったく」 呆れた口調だが笑みを絶やさない三代目にシカマルも笑って見せた 「ようシカ」 「おぅ…家に居なかったから此処だろうと思ってよ」 「なんか用だったか?」 「いや、別に用はねぇよ」 「んだよ、それ」 「まっ、気にすんなよ」 笑いながら話す二人をただ静かに見守る三代目
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