特別

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学校に着いても俺は綾香と一緒。理由は教室が同じだから。 教室に入ると、さすがに別れて、俺は教室の後ろの方。掃除用具が入っているロッカーの周りの集団に近づく。 「おっ。慎二~! お前また川原さんと一緒に登校かよ! ほんと羨ましい奴だよなー」 と、俺の肩に腕を回して俺にそう言う奴は、このクラスの男子の中心人物。 健太(けんた)だ。 男の俺から見ても健太はイケメンで、その上サッカー部のエース。 「健太もさ。いい加減声掛けてみりゃいいじゃん。別に普通に接してくれるぜ?」 と、健太に言う。 が、健太は手を大袈裟に振りながら 「無理無理。俺なんか相手にされないつうの!」 と、言うのであった。 まあ、あんだけ可愛い奴だ。話しかけ難いのは解るけどな。 でも話しかけてみれば、普通に話せるもんで…… 「ほんと慎二は羨ましいよな~。俺も生まれ変わったら川原さんの幼なじみとして生まれたいぜ」 と、今日もちょっとした特別扱い。 それが俺の心に翳りを落とすのも知らずにみんな……
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