1978人が本棚に入れています
本棚に追加
学校に着いても俺は綾香と一緒。理由は教室が同じだから。
教室に入ると、さすがに別れて、俺は教室の後ろの方。掃除用具が入っているロッカーの周りの集団に近づく。
「おっ。慎二~! お前また川原さんと一緒に登校かよ! ほんと羨ましい奴だよなー」
と、俺の肩に腕を回して俺にそう言う奴は、このクラスの男子の中心人物。
健太(けんた)だ。
男の俺から見ても健太はイケメンで、その上サッカー部のエース。
「健太もさ。いい加減声掛けてみりゃいいじゃん。別に普通に接してくれるぜ?」
と、健太に言う。
が、健太は手を大袈裟に振りながら
「無理無理。俺なんか相手にされないつうの!」
と、言うのであった。
まあ、あんだけ可愛い奴だ。話しかけ難いのは解るけどな。
でも話しかけてみれば、普通に話せるもんで……
「ほんと慎二は羨ましいよな~。俺も生まれ変わったら川原さんの幼なじみとして生まれたいぜ」
と、今日もちょっとした特別扱い。
それが俺の心に翳りを落とすのも知らずにみんな……
最初のコメントを投稿しよう!