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そもそも。俺と川原 綾香との出会い。それは、幼少時代に遡る。
まだ四歳の頃。
保育園に通っていた俺は、その中では友達はいたが、プライベートで遊ぶような関係ってのを持ってなかった。
まあ、大概は小さい頃の遊び相手って言ったら、父親や母親だと思うんだが……
俺の家は父親も母親も共働き。いつも家には一人。たまに休日も一人になる訳で、特に寂しさなんか感じてなかったが、暇を感じていた俺は近くの公園に遊びに行くのが常だった。
土曜日の昼近く。
両親が仕事のため、俺はいつものように近所の公園へ。
滑り台とブランコ。それに砂場と鉄棒と、どこにでもありそうな公園。
その公園には誰もいなかった。……と思っていたが、滑り台の下でうずくまり泣く少女を発見した。
その時の俺ってのは、人が泣く理由ってのは痛いからと言うことしか知らなかった。
まあ、痛けりゃ泣くわな。心が痛けりゃさ。
俺はその少女が鉄棒から落ちて、怪我でもしたのかと思い、その少女に近づいていった。
それが、俺と川原 綾香の出会い。
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