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小さな部屋。その端っこの小さい机の上の電気スタンドが、周囲を照らしている。 もうそろそろ行くか… 電気を消して、そっと扉を閉める。 ガチャ… バタン 階段を降りて、見つからないように家を出た。 閉じられた扉の向こうには、月の光で照らされた、1枚の写真。彼とかけがえのない友人達の無邪気な笑顔が写っていた。 今、彼らが、これから彼ら自身になにが起きるかなんて、知るはずもない。 ……もう2度と、笑いあえないだなんて。 彼の名は、岳人(がくと)。 この物語の悲劇のヒーローである。
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