-第1章-Loneliness・Star

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原因は、ほんとにくだらない。 ことのはじまりは中学時代にさかのぼる。 ついこの間まで、あたしには、亜魅という親友がいた。 親友といっても、どこまでが友達でどこからが親友なのかいまだに分からないけど。 「優菜はあたしの1番の友だよっ。だから、あたしたちは親友だよねっ!」 亜魅が、口癖のようによくそう言っていたから、あたしは亜魅を親友だと思っていた。 亜魅は、顔は可愛いし。スタイルもいい。 頭だっていい。 その上、お金持ち。 「優菜は、あんな可愛い亜魅と一緒いれていいね」 亜魅といたあたしは、いつもクラスの子にうらやましがられていた。 あたしといえば嫌になるくらいすべてが普通の女の子で、だから亜魅と一緒にいられるのはちょっとした自慢でもあった。 そんなあたしと亜魅の仲に変化があったのは、中学3年の春。 これで、何回目だろう。 あたしが好きになった人が、亜魅を好きになってしまうのは。 2年から3年に上がって、あたしはサッカー部の菅野くんという男の子を好きになりはじめていた。 それなのに… 「菅野くんに告白されたんだ。ごめんね」 もう、3回は聞いたセリフ。 学年で1番可愛い亜魅だもん、仕方ない。 あたしはそう思って、いつものようにあっけなく終わってしまった片想いをあきらめた。 「ねぇ、ちょっといい?」 そんな時だった。 同じクラスの瑞歩に声をかけられたんだ。 亜魅が学年で1番可愛いと言うなら、瑞歩は学年ではかなりの問題児。 「な、なに?」 ギャルでもなければ、ヤンキーでもないあたしははじめて関わる瑞歩に足がふるえる。 「話あんだけど」 「あ…たしに?」 あたし、なにかした?なにも、してないよ!? 完全になにかされると思っているあたしの頭はパニックで 「ついてきて」 スタスタ歩いていく瑞歩に、ただうなずいてついていくしかなかった。 明るく染めた髪をいじりながら歩く瑞歩の後ろを、うつむいて歩くあたし。 周りの子の目に映るのは、どう見ても不自然な2人。
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