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原因は、ほんとにくだらない。
ことのはじまりは中学時代にさかのぼる。
ついこの間まで、あたしには、亜魅という親友がいた。
親友といっても、どこまでが友達でどこからが親友なのかいまだに分からないけど。
「優菜はあたしの1番の友だよっ。だから、あたしたちは親友だよねっ!」
亜魅が、口癖のようによくそう言っていたから、あたしは亜魅を親友だと思っていた。
亜魅は、顔は可愛いし。スタイルもいい。
頭だっていい。
その上、お金持ち。
「優菜は、あんな可愛い亜魅と一緒いれていいね」
亜魅といたあたしは、いつもクラスの子にうらやましがられていた。
あたしといえば嫌になるくらいすべてが普通の女の子で、だから亜魅と一緒にいられるのはちょっとした自慢でもあった。
そんなあたしと亜魅の仲に変化があったのは、中学3年の春。
これで、何回目だろう。
あたしが好きになった人が、亜魅を好きになってしまうのは。
2年から3年に上がって、あたしはサッカー部の菅野くんという男の子を好きになりはじめていた。
それなのに…
「菅野くんに告白されたんだ。ごめんね」
もう、3回は聞いたセリフ。
学年で1番可愛い亜魅だもん、仕方ない。
あたしはそう思って、いつものようにあっけなく終わってしまった片想いをあきらめた。
「ねぇ、ちょっといい?」
そんな時だった。
同じクラスの瑞歩に声をかけられたんだ。
亜魅が学年で1番可愛いと言うなら、瑞歩は学年ではかなりの問題児。
「な、なに?」
ギャルでもなければ、ヤンキーでもないあたしははじめて関わる瑞歩に足がふるえる。
「話あんだけど」
「あ…たしに?」
あたし、なにかした?なにも、してないよ!?
完全になにかされると思っているあたしの頭はパニックで
「ついてきて」
スタスタ歩いていく瑞歩に、ただうなずいてついていくしかなかった。
明るく染めた髪をいじりながら歩く瑞歩の後ろを、うつむいて歩くあたし。
周りの子の目に映るのは、どう見ても不自然な2人。
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