高校生万歳

12/12
前へ
/12ページ
次へ
 話が終わったと思ったら、教室の扉が開き、そこから出てきた人影が、こちらに凄まじい速さで近づいてきた。  えっ何? まさか不良さんに目をつけられた?  そんなの嫌だ! そう思っていられたのも束の間、近づいてきたそれ、はまさかの……女だった。 「せっりっさっまー! おはようございます!」  近い。近い! 近い近い近い近い近いぃ!  とりあえず席を立って、後ろへ。  あれ? なんかデジャヴってる。初めて会ったときの琴音さんとのあれみたいな? 「待って! 落ち着こう。落ち着こう」  両手を前に出し、なだめるように言う。まだ琴音さん意外の女性は辛いんだ。 「なんでですか?」  さらりと流してずんずんと近づいてくる彼女。誰だかわからない。誰この人? 何この人? 「ほっ本当に待って!」 「なんでですか? もしかして私のこと……嫌いですか?」  今にも泣きそうな顔になる彼女。なんなの? 「おいっ! 相羽。師匠が困ってるだろ! やめろ」  師匠? 誰? とにかくあの女性は相羽というらしく、円く……円と知り合いらしい。  ここは円になんとかしてもらおう。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加