28人が本棚に入れています
本棚に追加
「一つ、お聞きして良いでしょうか?」
円くんが突然人差し指をたてて、俺に突きつけて、聞いてきた。
「……何?」
ちょっと動揺しつつもまあなんとか返答する。
「モテるためにはどうすればよいのでしょう?」
「ぶっ!」
「ええっ? どっどうしましたか?」
「げっほごっほおえ。……なっなんで俺に?」
いや、ホントなんで俺? しかもすげー真顔。無表情。
なんなのかな? 円くんは?
俺にどんな妄想を抱いてんの?
「いえ、あなた……芹さん? はほら、始業式から一週間足らずで彼女を作り出した方ではないですか。何か凄い技術のような物でもあるのかと思いまして」
……。なんだ。なんなんだ。なんだってんだああああ!
やめろ! そんな、そんな純真無垢な目で俺を見つめるな!
こんな汚い俺を見るなああああ!
「ごっ誤解だよ! 誤解!」
「何が誤解なのじゃ?」
声がしたんですね。ええ、はい。それはもう、綺麗なソプラノでした。
「こっ琴音さん!」
「何が、誤解なのじゃ?」
あれ? もしかして琴音さんご立腹?
円くん。円くん! 円くぅぅぅぅん! 助けて! 怖い怖い怖い怖い!
俺は円くんにもう必死に助けを呼んだ。目で。
最初のコメントを投稿しよう!