高校生万歳

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「おはよー」  俺も手を上げて挨拶する。こんな些細なことにも嬉しさが込み上げる。恋っていいなー愛っていいなーと声高に叫びたい!  まあそんなことする勇気はないけどね。 「じゃあ学校行こうか」 「うむ!」  そう言って琴音さんの来た方向と逆方向。つまりは学校に向かって歩き始めた。  手を繋いで。  心臓は嬉しさからか、いつもより多く回っています! という傘のごとく(ごとくでもなんでもないが)ものすごい速さで動いていた。  今まで手を握っていて感じたことのなかった高揚感、多幸感。ただ、手を繋いで町中をゆっくり歩くだけなのに、いや、だけではないけど! だけではないけども、今ならわかるかもしれない。バカップルと呼ばれる人達の気持ちが……。  自然と笑顔がほころぶ。右を見ると、俺の肩より少し上辺りに琴音さんの笑顔があった。  その愛らしい笑顔を見るとどうしても、もしかしたら俺と同じ気持ちなのかも知れないなー、なんて思ってしまう。  他人の心の奥なんて本当はわからないのに……。
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