高校生万歳

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 気を取り直して校舎の教室。Aクラスに向かう。  Aクラスとか名前だけ聞けばめっちゃできそうだな。  また長引きそうなので中断。てか断絶。  黙々と白い空間を歩いて一のAに到着。  窓側の一番奥の自分の席。そこに腰掛けてガッタンガッタンやって遊ぶことにした。  だって隣に琴音さんいるんだもん。何話せばいいかわかんないよ。  できるだけ興味なさげな顔を繕って、黒板の隣にある丸い時計を見ながらガッタンガッタンやっていた。  そういえば、俺って友達と呼べる人がいなくね? 琴音さんは恋人で……。  ……もしかして俺琴音さん以外と関わったことない?  それはまずい! 高校デビューして、男女問わずの友達作りを目標としているこの僕が! まだ一人も友達を作っていないなどと……。  ゆゆしき自体だ……。ともすればまずは前の席の人と友達になるのが自然かつ一般的ではないかね? 右は琴音さん。左はさしずめぬりかべさんかな。  人外と友達になる勇気はないし、そう考えるとやっぱり前の人と親しくなるべきだよね?
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