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円くんは抑揚なくつらつらと、言葉を置くように喋る。しかもとんでもない内容を……。
まさかの噂……。ありえねええええええええええ!
「それは嘘っ! いや、ちょっとはあってるかもしれないけど殆ど嘘っぱちだから! 記憶から消去しよう!」
「もう少し声のトーンを落としましょう。僕は大きい音が苦手です」
耳を塞ぎ、少し不快そうな表情をとる円くん。なんかマイペースな人だなー、と思った。もっともなことを言っている筈なのにそう思ってしまった。
「それで、何か用ですか? 名前を聞ければ良かったんですか?」
「そうだった。あのさ円くん! 俺と友達にならない? ほら、まだ学校始まってちょっとしかたってないから不安って言うかさ? 仲良くなりたいなーみたいな?」
長いし早口だし馬鹿丸出しな台詞を吐く俺。
そんな俺をじーっと見つめるイケメン円くん。にらめっこか? 笑わせて空気を和ませようという作戦か? とか思って口を釣り上げ、笑うすんでのところで円くんが口を開いた。
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