◆ホロニガイ太陽◆

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「ユッコは熱あるんだから、大人しく寝てんのよ!!」 空港まで創太郎を送って行くため、サツキと純矢が来ていた。 アタシはというと、あの後、高熱で動けなくなり、強制的に創太郎の家に連れてこられていた。 サツキに怒られるのは久々で、真っ赤な顔をしてアタシはニヤニヤした。 「ユッコちゃんが熱でおかしくなってんぞ」 そばにいた純矢が、そう言って慌てる。 「違うの。…なんだか嬉しくて」 そういうと、純矢はフッと優しい表情で笑った。 「オレ、創太郎の荷物車につけてくるわ」 純矢はそういうとアタシの頭を撫でて、部屋を出ていった。 「ユッコ…良かったね」 そう言って、サツキは、アタシのおでこのカサカサに干からびた冷えピタをはがす。 「え…?」 「創太郎とうまくいったみたいだし…。ちょっと安心しました」 サツキは少し寂しそうな顔をして、アタシのおでこに新しい冷えピタをくっつけた。 「冷たっ…!!」 「じゃぁ、ここに薬とお水置いとくから飲むんだよ」 アタシはコクリと頷くと「良し!!」と言って立ち上がった。 「ワタシもそろそろ外に行くね。見送ったらまた来るから」 そう言ってサツキも部屋を出ていった。 隣の部屋から聴こえるバタバタという足音や話声が、なんだかとても心地よかった。
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