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二人の事も心配だったが、それよりも姉が心配だった僕はこっそりと姉の部屋へと向かった。
姉の部屋のドアノブがひんやりとしていて少し心臓が驚く。
「姉ちゃん?」
ゆっくりと扉を開けると、真っ暗な闇が広がった。
その闇の中心には膝を抱えた姉がぽつんと存在していた。
僕は今一番気になっている事を言おうとしたが、小さくなっている姉のすすり泣く声が聞こえた瞬間に、口まで出掛かっていたそれはするすると腹の中まで落ちていった。
四角い闇の中でどこにいればいいのかわからなかったので、僕は姉の隣に一緒に小さくなって座った。
しばらくの間、チクタクという電波時計の針の動く音だけが聞こえた。
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