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自分はねじ曲がった性格だ、と僕は実感した。
姉を責めるつもりは毛頭無いのだが、無いはずなのだが思春期が抱かされる異常なまでの嫉妬に、僕は傀儡のように操られるだけだった。
「気づきなよ。姉さんは騙されたんだ。ヤリ捨てされたんだよ。でも悪いのは姉さんじゃない。姉さんの体目当てで寄ってきたあいつが悪いんだ」
頬の筋肉が引きつり、歪な笑顔の僕を姉は軽蔑したような眼で睨みつけた。
「そもそもさ、十も年下の女に本気になる奴なんていないよ? どうせ独身って言って騙されたんだんでしょ? 姉さんは純粋だからしょうがないけど、愛だの恋だの所詮セックスするまでをロマンチックに例えただけだよ」
「違う。あんたがそんな風にしか思えない悲しい生き物なだけ!純粋な関係だったわ。向こうも私も!ただ、何もかもが上手く行く訳じゃないの」
「大人の都合ってやつ?バッカじゃないの?姉さんのことが面倒になっただけなんだよ!純粋な関係?笑わせないでよ。セックスした時点で純粋なんてもんじゃない!ただの欲にまみれた汚物でしかなくなるんだよ!」
いつの間にか、僕は両親にだけでなく近所にまで聞こえそうな大声で納得のいかない物を姉にぶちまけていた。
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